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先進的な介護ロボットで変わる。働きやすさと人に寄り添うケア

介護の仕事は前かがみや中腰での無理な姿勢で、利用者さんを支えたり、抱きかかえたりすることが多く、腰痛は職業病の一つといえます。その解決策として、介護ロボットやIoT機器といった先進機器の導入が進んでいます。

今回は、そんな先進機器を導入し、活用している施設のひとつである介護老人保健施設 ケアコートゆうあいを訪ねて、利用状況などのお話を伺いました。

お話を伺った方

社会医療法人祐愛会 介護老人保健施設 ケアコートゆうあい 勤務

社会医療法人祐愛会 介護老人保健施設 ケアコートゆうあい 勤務

介護部門統括部長 神代  修(左)
介護福祉士    岩﨑 貴子(右)

ーー施設では、どんな先進機器を導入しているのですか?

当施設では、令和4年に移乗サポートロボットと床走行式電動介護リフトを導入しました。
使い分けとしては、ベッドの端などに腰かけられる方は移乗サポートロボット、ベッドから起き上がれない状態の方には介護リフトを利用します。移乗サポートロボットは、やわらかなクッションで両脇下とひざを支点に利用者さんを抱え上げます。利用者さんからは、スタッフから介助されるよりも楽だという声もあります。

介護リフトは、まだ試用期間の段階です。準備や操作が簡単で使いやすい移乗サポートロボットに対し、介護リフトは安全上、研修を受けて試験に合格したスタッフのみが操作します。安全使用荷重が200kgのため、大柄の利用者の方にも安心して使用できます。

当施設では、10代から70代まで約200名のスタッフが勤務しています。妊娠していたり、年齢の高いスタッフもいるため、抱え上げる介護に負担を感じるスタッフも少なくありません。また、抱え上げる介護を続けることにより、腰痛で悩んでいるスタッフもいます。その状況を改善したいのはもちろんですが、大切なのは機器の導入ではなく、スタッフが働きやすいように職場環境を見直すこと。身体の使い方を見直して腰痛を予防するなど、いつまでも第一線で活躍できるように、働きやすい環境を整えています。

移乗サポートロボットはベッドから車いす、車いすからトイレといった移乗動作のときに使っています。介護の仕事の中でも腰に負担がかかる作業で、通常なら二人介助になりますが、移乗サポートロボットを使えば一人でできます。

ーー評判はどうですか?

使用した利用者さんからは、「痛くない」との声が多数あります。人が介助して立ち上がらせようとすると、どうしても一定のところに負荷がかかり痛みを感じることがありますが、移乗サポートロボットはやわらかいクッションで抱えてくれるので安心感があるようです。最初の頃は「大丈夫なの?」と不安に思う利用者さんもいましたが、今では「あいばせんといかんとやろ」と、ロボットのアームが入りやすいように手を上げて待っている方もいらっしゃいます。

操作が簡単なのも良かったですね。ベテランスタッフになると、「機械を使うよりも自分でやった方が早い!」と思いがちですが、準備に手間取らないし、何よりも自分が楽です。とくに若いスタッフは、こういった機器の扱いにも慣れているので、すんなりと受け入れてもらえました。

一番良かったのは、移乗サポートロボットのおかげで作業が効率化され、人にしかできない温もりや思いやりのあるケアに力を注げるようになったことですね。

佐賀県内では、こうした先進機器を導入・活用している施設が多くあります。働きたい、気になる施設がありましたら、先進機器の利用状況についても尋ねてみてもいいですね。