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「必要だ」と感じたことを形に。嬉野市に根付く法人の持ち味とは

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社会福祉法人嬉野町社会事業助成会

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お話を伺った方

川口 さゆり(かわぐち さゆり)

川口 さゆり(かわぐち さゆり)

嬉野町社会事業助成会事務長
大学卒業後、地元に戻り介護老人保健施設のソーシャルワーカーとして5年勤務。結婚・出産後に現在の職場に入職。介護スタッフ、ケアマネジャー、管理者を14年経験し、現職。

矢野 佑一(やの ゆういち)

矢野 佑一(やの ゆういち)

特別養護老人ホームうれしの 施設サービス部 介護課
福島県の高校卒業後、空輸・運送業の会社で約4年勤務。東日本大震災で被災したことをきっかけに、紹介を受け介護の仕事を始めた。4年前の引っ越しを機に介護スタッフとして入職、現在に至る。

佐賀県西部に位置する嬉野市でサービスを提供する、社会福祉法人嬉野町社会事業助成会(以下、嬉野町社会事業助成会)。地域にとって、職場にとって必要だと感じたことを、スタッフみんなでゼロから作りあげていくのがこの法人の特徴だ。

右も左もわからないゼロからのスタートは不安に思うかもしれない。けれど、その挑戦を越えた先に新しい景色が広がっていくのではないだろうか。そうしたチャレンジングな組織風土で働く川口 さゆりさん、矢野 佑一さんに、これまでの経験と法人の持ち味についてお話を伺った。

状況に合わせ、「必要だ」と感じたことをサービスに

嬉野町社会事業助成会は、嬉野市の前身である嬉野町で保育事業を行っていた。1995年、嬉野町に開設した町内初のデイサービスセンター春風荘の運営から介護福祉事業を開始。保育と介護の社会福祉事業を担う存在となった。そして2009年、保育と介護で法人を分け、介護部門を担っているのが現在の嬉野町社会事業助成会だ。

川口 さゆりさん(以下、川口)「法人が分かれてからは、地域の方で理事会が構成されました。施設サービス部、在宅サービス部等の組織の仕組みの中でみんなで考え、決めていくというのが私たちの特徴だと思います。これまで在宅サービスを利用する方を中心に、住民の声を聞き、『地域にとって必要だ』と感じたことをスタッフみんなで形にしてきました」

施設運営に限らず、地域貢献活動委員会を設け、自宅介護者に向けた介護教室の開催、ペットボトルのふたの回収、清掃活動など大小様々な地域貢献活動も続けている。

嬉野市で生活する人々に向けた活動こそが、嬉野に生まれたこの法人の役目。その根底には、法人全体を貫く「大切な人の大切な生活のために」という理念がある。「大切な人」には、サービスを利用するすべての人、利用者の家族、スタッフも含まれるという。

この理念は多岐にわたる委員会活動に表れている。たとえば、サービス利用者に向けた認知症ケア委員会や口腔ケア委員会。利用者の家族の安心に向けた事故対策委員会、スタッフの働きやすさに向けた抱え上げない介護委員会など、全13委員会の活動があり、活動内容をホームページで発信している。矢野さんは、その活動ぶりをこう話す。

矢野 佑一さん(以下、矢野)「各委員会では、利用者さん一人ひとりの状態を見極めたケアの仕方を話し合っています。たとえば、食事介助のときは、時間がかかっても利用者さんが満足するまでゆっくり食事をしてもらうよう心がけていますね。利用者さんのペース、生活しやすい環境を大切にしています」

自分たちで作り上げる、だからこそ“挑戦”がある

必要な環境や制度は自分たちで作る自由度の高さが、この法人の特徴。そこにはいつだって新しい挑戦がある。勤続24年の川口さんは、結婚と子育てを機にUターン。開設2年目だった特別養護老人ホームうれしのに、介護スタッフとして入職した。

川口「今でも友達から『どうして介護の仕事を』って驚かれるんです。もともと私は口数も少なくて、消極的。人前に出るのも苦手でした。そんな私が変われたのは、居宅介護支援事業の立ち上げを任されたのがきっかけでした」

当時、川口さんはゼロからの事業立ち上げメンバーに選ばれたという。何もわからない状態の中、目の前にある様々な課題は自分が動かなければ解決しないことに気がついた。それからは悩むよりも前にとりあえずやってみる姿勢でとにかく立ち向かった。

川口「上司とぶつかりましたし、何度も落ち込みました。でも、苦労を乗り越え得られた達成感は今も心に残っています。あのときから何かがふっ切れて、現場のやり方に合ってないと感じたら自分でどんどん改善する、行動できる自分になったんです。例えば福利厚生や新しい機器の導入に声をあげたりですね。逆を言えばそれは『じゃあ、やってみたら』と自由にやらせてもらえる、チャレンジさせてくれる環境があったからこそ。そのことにすごく感謝しています」

キャリアを重ね、今の自分の立場から介護に向き合う川口さん。そんな川口さんと面接して入職したのが、勤続4年目になる矢野さんだ。

矢野「僕は福島県出身で看護師を目指していたんですが、友人の勧めもあって介護の仕事を選びました。その後長崎に移住し、うれしのに出会いました。面接後の施設見学のとき、ここで働く姿が想像できたのが入職の決め手です。特に天井の高い開放的な食堂が印象的で、のんびりリラックスできるというか、この空間で食事を楽しめるのはとても素敵だなと感じたんです」

矢野さんが魅力を感じたという食堂。光が差し込み開放的な雰囲気だ

現在矢野さんは、「抱え上げない介護」委員会の委員長を務め、職場作りにも携わっている。発足から日が浅く、施設としてのあり方を模索している最中だ。

矢野「まずはスタッフのみなさんに理解してもらうことが大切だと考えています。新しい取り組みなので、意見が違うこともある。でも、こうして新しいことに挑戦できるので、年齢を重ねても働き続けられるような環境を作りたいですね」

「僕にとって介護は天職だと思う」と話す矢野さん。彼にも介護をする中で気づいた今の自分がある。

矢野「実はこれまで、自分が夜間勤務のときに看取りが多かったんです。最初はそのことにすごく落ち込みました。でもあるとき『矢野君がいるから安心できるし、矢野君がいるときに看取ってほしいと思う人が多いんだね』と言われて。自分らしい介護のやり方が見えた瞬間でした。

自分がいるときに、人生の終わりを迎えられてよかったと思ってもらえるような介護がしたい。今では毎日その想いで、利用者さんと向き合っています。話すのが難しい利用者さんでも、言葉以上に気持ちが伝わる瞬間にやりがいを感じますね」

楽しい瞬間を一緒に味わうための職場づくりを

嬉野町社会事業助成会の平均勤務年数は約10年。定年後も、ほとんどのスタッフが再雇用を希望している。それは長く働き続けられる環境がソフト、ハードともに充実しているためだ。

ソフト面では、教育制度の充実がある。入職後の教育期間を1年間確保し、設定した目標への達成度を確認しながら学べる仕組みを導入。資格取得も支援しており、今ではスタッフの7割以上が介護福祉士の国家資格を持っているという。向上心があれば、誰でも専門的な知識が身につけられる環境だ。

ハード面では、介護記録のICT化、センサー付ベッドの導入、他にも感染予防装置の設置など、働きやすい環境を整えてきた。

そんな嬉野町社会事業助成会に合うのは「チャレンジ精神のある人」「周りと連携、協力体制をとれる人」だとお二人は話す。

川口「基本は利用者さん一人ひとりを大切にできる人であってほしい。そのうえで、いろんなことにチャレンジして、少しずつでもいいからステップアップする姿勢があるといいですね。やりたいことを実現できる環境はあると思うので、ぜひ活用してほしいです」

矢野「周りのスタッフと意見がぶつかることももちろんあるけど、最終的には『やってみよう』と前を向く人が多いです。自分たちで作る風土があるので、協力や連携も大切にしてほしいですね。介護は関わっていけばいくほど、楽しい瞬間が増えていくと僕は思います。その楽しいと思える瞬間を、ここで一緒に味わえたら嬉しいですね」

社会福祉法人嬉野町社会事業助成会

募集情報

応募資格 無資格・未経験歓迎 
その他応募資格 新卒者可
応募資格は、配属事業所により異なるため、要相談
雇用形態 正社員  契約社員 
給与 正規:月給:189,000円~220,000円(定期的に支払われる手当を含む)  嘱託:月給:182,000円~187,000円(定期的に支払われる手当を含む)
待遇・福利厚生 各種手当 (月額)処遇改善手当:17,000円  特別加算手当:5,000円  夜勤手当(回):准夜2,000円 深夜4,000円  年末年始手当(日):3,000円  扶養手当(人):5,000円~10,000円(該当者のみ)  通勤手当(距離に応じて):上限24,000円
賞与 年2回支給
定期昇給制度 年1回あり(4月)*人事考課に基づき支給
年間休日日数 107日(シフト制)
休日制度等の
特色
育児休暇、介護休暇、慶弔休暇、バースディー休暇  年次有給休暇は、入社時に付与
育児休業・
介護休業の
取得状況
育児休業制度 2023年度:3人  2022年度:2人  2021年度:1人
介護休業制度 2023年度:1人  2022年度:該当なし  2021年度:該当なし
職員数 100人
平均従事年数
(正規職員及び正規介護職員)
正規職員:13年   正規介護職員:10年
正規職員の採用実績
及び在籍状況
(過去3年間)
2023年度:採用2人(うち在籍2人) 2022年度:採用6人(うち在籍3人)  2021年度:採用6人(うち在籍4人)
新規入職者の育成 入社後に新人職員研修を行っています。また、メンター制度にて1年間、教育指導者より面談を通して、業務内容や様々な悩みに対してフォローや教育を行っていきます。
キャリアパス制度 キャリアパス基準書に沿った、人事考課・目標管理、研修を実施しています。人事考課は年2回実施し、実施後は上司との面談でフィードバックし人材育成、職場の活性化につなげています。また、目標管理シートを各自年度初めに作成し1年間取り組んでいきます。内部外部研修には積極的に参加し、自己研鑽に努めています。
独自の取り組み 新卒採用実施  短時間勤務相談可 
その他独自の取り組み 職階別研修で自身の業務内容だけでなく、チームワークやコミュニケーション等を学ぶ機会があります。
資格取得支援制度があり、資格取得に必要な研修受講や費用の助成を行っています。
ICT(電子記録)にて業務負担軽減を図っています。また、抱え上げない介護の実践によりご利用者の安全と職員の安全を確保していきます。

法人概要

法人名 社会福祉法人嬉野町社会事業助成会
法人所在地 843-0301 嬉野市嬉野町大字下宿甲2088番地
電話番号 0954-43-2511
URL http://tokuyou-ureshino.jp/

勤務地情報

事業所名 事業所所在地 サービス種類
特別養護老人ホームうれしの 843-0301 嬉野市嬉野町大字下宿甲2088番地 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
ショートステイうれしの 843-0301 嬉野市嬉野町大字下宿甲2088番地 短期入所生活介護
デイサービスセンターうれしの 843-0301 嬉野市嬉野町大字下宿甲2088番地 通所介護(デイサービス)
居宅介護支援事業所うれしの 843-0301 嬉野市嬉野町大字下宿甲2088番地 居宅介護支援
嬉野デイサービスセンター春風荘 843-0302 嬉野市嬉野町大字下野甲1055番地 通所介護(デイサービス)
ケアハウスうれしの 843-0301 嬉野市嬉野町大字下宿甲2088番地 ケアハウス
嬉野西部地域包括支援センター 843-0301 嬉野市嬉野町大字下宿丙2390-2 地域包括支援センター
嬉野市いきいきデイサービスセンター湯っくらーと 843-0302 嬉野市嬉野町大字下野甲1056番地 介護予防デイサービス

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