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社会福祉法人伊万里敬愛会
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お話を伺った方
杉本 克則 (すぎもと かつのり)
居宅介護支援事業所敬愛園 管理者/主任介護支援専門員
大学卒業後、特別養護老人ホームの現場スタッフ、生活相談員を経験。
青木 幸代(あおき さちよ)
特別養護老人ホーム敬愛園 看護師
系列の小島病院に看護師として勤務。伊万里敬愛会設立と同時に施設の看護師として入職。数年前より施設部部長も兼務している。
社会福祉法人伊万里敬愛会(以下、伊万里敬愛会)が利用者と関係を築くうえで大切にしているキーワードは「家族」。利用者の尊厳を大切にしながら、スタッフも楽しんで介護を行うのが特徴だ。
今日まで続く、伊万里敬愛会の介護のかたちが作られたのは20年以上前。今では福祉大国と名高いスウェーデンとの交流がベースになっている。当時吸収した海外のケアのあり方が今も息づく。
新しい考え方を取り込みながら作りあげてきた伊万里敬愛会の価値観、そしてこれからについて杉本 克則さん、青木 幸代さんにお話を伺った。
海外の知見が、法人の土台になっている
初代理事長は、認知症が専門の精神科医で、患者と接する中で介護の重要性に気づき事業を立ち上げた。今は亡き初代理事長の人柄をお伺いすると、お二人は当時を思い出しているのか笑みを浮かべながら話してくれた。
杉本 克則さん(以下、杉本)「初代理事長は利用者さんに対していっつもにこにこしている先生でした。でも僕らには厳しかったな(笑)今の自分たちでは難しい事を、優しい口調で『やってみましょう』と言うんですよ。頑張ってなんとか期待に応えると『ほらできるじゃない』と、優しく褒めてくださる」
青木 幸代さん(以下、青木)「まさしくその通り(笑)診察のときは患者さんのお話を聞く優しい先生だけど、私たちには厳しい方でもありました」
初代理事長は多くの学会へ参加し人脈を作った後、海外の知見を取り入れるために福祉大国スウェーデンと交流を始め、導入したのが交換交流制度。この制度でスウェーデンに渡った杉本さんは、海外の介護のあり方を目の当たりにしたという。
特に印象的だったのは、認知症ケアの一つである「ユマニチュードケア」の実践。フランス語の造語で「人間らしさ」を意味するケア技法で、見る・話す・触れる・立つという人間の特性に働きかけ、利用者の尊厳を重視する。
例えば「見る」ときは、対等な関係であることを伝えるために同じ目線に立ち、相手を正面から見つめる。「話す」ときは、ゆっくり自分の動きを実況中継するように言葉を重ねる。「左腕をあげます」「タオルで身体を拭いています」と、利用者に「自分の存在」があることを伝えるのだ。
ケアする人・ケアされる人という一方通行ではなく、「絆」を基に関係を築く。行動一つひとつで「あなたのことを大切に思っています」という気持ちを示していく。
杉本「寄り添う、隣で微笑む、そういった当たり前の行動で、その人らしさを尊重できて、尊厳を守れるんだと学びました。その考えは、今もこの施設に浸透しています」
大切にしてるのは、「家族」のように当たり前に接すること
伊万里敬愛会の理念には「家族の一員」、「家族の心」という言葉が使われている。絆のつながりで、家族のように接するのが伊万里敬愛会のあり方だ。
そのための工夫として、施設全体が一つのまちに似た作りになっている。廊下は「南通り」「北通り」と名づけられ、居室は番地で表記されているそう。居室に戻る様子は、家に帰っていくようだ。
認知症の症状があると、これまでと同じようにいかないこともあるだろう。今までとは違う、という先入観もあるかもしれない。杉本さんも最初はそう感じていたという。しかし利用者と関わるうちに、それは間違いであることに気がついた。
杉本「ある年の年末、年越しそばの希望がありカップラーメンで出したんです。そうしたら利用者さんに大好評(笑)『時々は食べたいんだな、自分たちと一緒だな』と思いました。
それから、足を骨折してしまった利用者さんを病院に連れて行ったとき、病院で泣いてる子どもがいたんです。自分だって痛いのに、子どもを見たら一生懸命あやそうとしてて。この姿を見て『やさしいなぁ、親の目線なんだ。僕たちと一緒だな』と感じました」
それ以来、杉本さんはスタッフに、以前に増して利用者を自分と同じひとりの人として、しっかり受け止めるように伝えている。伊万里敬愛会は、利用者と等身大で接し続ける法人なのだ。
杉本「利用者さんもスタッフもひとりの人。同じ目線で話をして、楽しかったら一緒に笑う。家族と離れて生活するので、家に帰りたいって思うことも、夜に不安になることも、当たり前の気持ちなんです」
杉本さんの話に「そうそう」と頷く看護師の青木さん。彼女は系列の小島病院に看護師として入職した。敬愛園の設立時に理事長から声をかけられて以来、30年近く施設の看護師を勤めている。
青木「スタッフはみんな、利用者さんの声や訴えに耳を傾けるのを意識していますね。声を聴くきっかけとなったのは、昔行っていた願い事叶え事業だったと思います。利用者さんの『やりたい』を聞いて、スタッフみんなで叶えていく。事業の一環で行った温泉旅行は忘れられない思い出です」
旅行中、施設内とは違う利用者の顔をたくさん見られたと話す青木さん。普段であれば、お風呂を嫌がる利用者が率先して温泉に向かい、一緒に背中を洗い流したことや、夜、利用者とともに同じ布団で寝たことを懐かしそうに話してくれた。
今でも利用者が「散歩に行きたい」と言うと、厨房スタッフと連携し、昼食を弁当箱に詰めて出かけることもある。
杉本「利用者さんに楽しんでもらうためには、僕たちも楽しまないと。なんでも利用者さんのためにやってあげる、じゃなくて一緒に楽しんで一緒に笑う。僕たちの気持ちが利用者さんに伝わって一緒に笑顔になる。ここはそれができる施設です」
これからは、利用者と地域に“家族”の輪を広げていく
伊万里敬愛会は、特別養護老人ホーム敬愛園と認知症グループホーム椎の木の家の2施設、在宅事業として、ショートステイ、デイサービス、ホームヘルプサービス、居宅介護支援、在宅介護支援を運営し、2022年には、認知症グループホームを新築移転する予定だ。
杉本「もっと地域に根付く施設になりたいです。“家族”というあり方を施設内だけじゃなくて、地域にも広げていきたい。施設に子どもたちが遊びに来たり、地域の人が会議をするために利用したり。訪れてもらう機会を増やして、身近な場所にしていきたいです」
青木「最近、施設見学に来られた方がいるんですが、施設がどういうところかわからないっておっしゃっていて。今は介護そのものに親しみがない人も多い。施設や介護を少しでも近くに感じてほしいです」
誰もが気軽に、多目的に利用できる特別養護老人ホームを作りたい、と話す杉本さん。そのために、伊万里敬愛会では「発信できる人」を求めている。
杉本「出てきた発想やアイデアを取り入れ、実行できるような体制を作っていきたいです。僕はなるべく『あなたはどうしたいの?』とスタッフの声を聞くようにしていて。そうすると、考えもしなかったアイデアが出たりする。それを一緒に実現できるようにするのが僕の役目です」
例えば若手スタッフからの発案で、ご家族との面会にオンラインツールを導入。遠方に住んでいても画面越しに家族の顔を見ることができ、喜ばれたそうだ。他にも、「家に帰りたい」という利用者のため、スタッフが家族に連絡をとり動画を用意。「お母さん、そこで療養しててね」と話す家族の動画を見せると、利用者も安心してくれたという。
伊万里敬愛会では、入職後の研修期間が終わるとスタッフ一人ひとりに名刺を渡している。介護業界で頑張る仲間たちとつながりをもってほしいという想いがあるからだ。海外の知見を取り入れてきた当時のように、施設外で得た知見を伊万里敬愛会でも発信してほしいと願っている。
青木「利用者さん一人ひとりに寄り添って、変化に気づける人に来てほしいですね。利用者さんに『大丈夫』と言われたとき、言葉通り受け取っていいのか、利用者さんは寂しそうにしていないか。以前、この小さな気づきで脳梗塞を止められたこともあります。五感を使って利用者さんに向き合ってほしいです」
食事や排泄の介助はあくまでも手段の一つ。「家族」のように利用者と一緒に楽しみ、寄り添う。不安や痛みを和らげるために、声を聴く。これが伊万里敬愛会の介護のかたちだ。
社会福祉法人伊万里敬愛会
募集情報
応募資格 | 無資格・未経験歓迎 | |
その他応募資格 | ||
雇用形態 | 正社員 パート・アルバイト | |
給与 | 正職員(介護福祉士)173,100~224,800円 正職員(無資格)160,300~212,000円 正職員(介護支援専門員)169,800~221,500円 (定期的に支払われる手当を含む) | |
待遇・福利厚生 | 各種手当 | 夜勤手当:5,000円、被服手当:500円、通勤手当:上限21,700円、扶養手当・住宅手当:該当される方のみ、資格手当・処遇改善手当もあり |
賞与 | 年2回:3.8ケ月分 | |
定期昇給制度 | あり | |
年間休日日数 | 144日 ※シフト制:31日の月は10日、30日の月は9日、28日の月は8日 | |
休日制度等の 特色 |
介護休暇、看護休暇、慶弔休暇、特別休暇 ※すべて有給となっています | |
育児休業・ 介護休業の 取得状況 |
育児休業制度 | 2020年:2名 2019年:1名 2018年:2名 |
介護休業制度 | 過去3年間に該当者なし | |
職員数 | 88名 | |
平均従事年数 (正規職員及び正規介護職員) |
正職員:11年 正規介護職員:9年 | |
正規職員の採用実績 及び在籍状況 (過去3年間) |
2023年:8名(うち8名在籍)2022年:7名採用(うち5名在籍)2021年:7名採用(うち5名在籍) | |
新規入職者の育成 | 新人職員研修:~3か月、職員勉強会(施設内研修・全体、各部署):毎月 | |
キャリアパス制度 | 等級制度、評価制度、研修制度、賃金制度 | |
独自の取り組み | 新卒採用実施 短時間勤務相談可 職場見学・ボランティア歓迎 | |
その他独自の取り組み |
法人概要
法人名 | 社会福祉法人伊万里敬愛会 |
法人所在地 | 848-0123 伊万里市黒川町大黒川2201番地 |
電話番号 | 0955-27-2101 |
URL | http://imari-keiaikai.com/ |
勤務地情報
事業所名 | 事業所所在地 | サービス種類 |
---|---|---|
特別養護老人ホーム敬愛園 | 848-0123 伊万里市黒川町大黒川2201番地 | 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム) |
ショートステイサービス敬愛園 | 848-0123 伊万里市黒川町大黒川2201番地 | 短期入所生活介護 |
デイサービスセンター敬愛園 | 848-0123 伊万里市黒川町大黒川2201番地 | 通所介護(デイサービス) |
ホームヘルプサービス敬愛園 | 848-0123 伊万里市黒川町大黒川2201番地 | 訪問介護(ホームヘルプ) |
居宅介護支援事業所敬愛園 | 848-0123 伊万里市黒川町大黒川2201番地 | 居宅介護支援 |
グループホーム椎の木の家 | 848-0121 伊万里市黒川町塩屋173番地1 | 認知症対応型共同生活介護(グループホーム) |
在宅介護支援センター敬愛園 | 848-0123 伊万里市黒川町大黒川2201番地 | 居宅介護支援 |
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各事業所から折り返し直接連絡をします。
注意事項
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