株式会社かがやきケアサービス

業種: 施設系; 通所系

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お話を伺った方

川口一美（かわぐちひとみ）

はたしま百花苑　主任
介護の仕事に興味を持ち、高校卒業後に特別養護老人ホームへ入職。介護に携わる上で必要だと感じ、福祉用具プランナー等を取得。デイケアを経験した後、2018年に虹の松原百花苑の開所と同時に入職。施設開設と同時に現職。「培った技術を後世に伝えたい」と思い、研修講師や地元ラジオ局で介護の話題等を発信中。

はたしま百花苑は、株式会社かがやきケアサービスが運営する施設で、みどり山百花苑、虹の松原百花苑に続く３施設目となる。今回は、はたしま百花苑の主任・川口一美さんにお話を伺った。

美しい景色と自然環境が自慢の施設

利用者の方からよく寄せられる「散歩がしたい」「日光浴がしたい」という希望を叶えられる場所を作りたい、との想いで開所したはたしま百花苑。唐津市畑島の豊かな自然に囲まれた場所にあり、利用者が心豊かにゆったりと過ごせるような施設となっている。

川口一美さん（以下、川口）「施設の特徴の一つが、開放感のある広い中庭です。四季折々の自然を感じられるお庭で、デイルームから直接出入りができるので、気軽にお散歩や日光浴を楽しむことができます。木々を眺めながら東屋でひと休みしたり、深呼吸したりと楽しみ方はさまざまです。耳を澄ませば虫の音や鳥の声が聞こえてくるのも、カントリーサイドの恵まれた環境だからこそ。美しい景色と自然環境が、利用者さんの心と身体を癒してくれます。また、栄養士によるこだわりの食事やおやつも特徴です。“食の楽しみ”を第一に、“健康の維持”にも配慮したメニューとなっていて、地元産のお米やお野菜を中心とした手作りのご飯は施設の自慢でもあります」

介護の世界で20年以上のキャリアを持つ川口さんにとって、介護の現場は楽しい癒しの場所だという。利用者と接する際に心がけていることを聞いてみた。

川口「何よりも大切にしているのは“感謝”の気持ちです。人生の最後の生活の場所になるかもしれないところとして、当施設を選んでくださったことをとても有難く感じると共に、皆様に寄り添う気持ちを持っていることの大切さをスタッフに伝えています。人生の大先輩と話ができる機会はとても貴重なものです。昔の出来事や、地域の風景、お仕事のことなど、まさに情報の宝庫です。皆さんとのご縁に感謝しながら日々を過ごしています」

管理者でありながら、利用者さんと触れ合いたくて現場にもちょくちょく顔を出しているという。

川口「私自身は“お一人おひとりと１日に一言は会話をする”ことを目標にしています。声のトーンなどで体調の変化を感じることもできます。また、心の声が聴ける身近な存在を目指しています」

資格取得のためのバックアップ制度も充実

現在、介護スタッフと調理スタッフを募集中とのこと。

川口「介護の仕事はハードルが高いと感じる方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。経験がなくても“ちょっと興味がある”という方にもぜひチャレンジしてほしいと思います。入社後に資格取得を目指す人のために、費用助成や休暇、福利厚生など、バックアップ制度もしっかり用意されているので、経験や資格がない人も大丈夫です」

仕事ができる状況や環境もさまざまなので、その人らしい働き方ができるよう、スタッフの雇用体系も柔軟だ。

川口「デイサービスの時間だけ働いている人、お掃除スタッフとして短時間だけ働く人、夜勤専門で勤務している人などさまざまです。職種についての相談をされることも多く、“今はお掃除スタッフとして短時間勤務しているが、月に２回くらいは夜勤をしたい”というような働き方にも対応しています」

働きやすい職場づくりへの取り組み

働きやすい職場づくりの一環として、スタッフの心身への負担軽減の観点からもさまざまな取り組みを行っている。

川口「当施設では、20センチまで下がるベッドを導入しています。ベッドに寝ることに慣れない方も多く、“高さ”に対する不安を解消しながら、介護時にはベッドを高くすることで、介助スタッフの腰痛への負担軽減にもつながります。利用者さんとスタッフの両方にメリットがあるとして、注目されています」

また、外部講師を招いての勉強会も積極的に行い介護技術を学んでいる。

川口「車椅子に座ること一つとっても、背筋を伸ばしお尻を整えて座ると心地よさや見える風景も変わります。勉強会を通して実際にモデルになることで、車椅子体験を通して得る体感温度やスタッフの立ち位置等を感じたり、スタッフ同士で話をしたりすることで自分が苦手な部分をお互いに相談している様子も増えました。また、当施設では、重度の方でも安心して入浴できるように、キャリーに座ったままで入浴できる介護用入浴機器も導入しています。浴室内での移動も少ないことからスタッフの負担軽減につながっており、床からお湯が出てくることで不安感を抱くことなく入浴できます。浴槽は３タイプ（大浴場・個浴・特浴）準備していて、介護度や体調に応じての入浴ができるよう設計されています」

自分たちで実際にシミュレーションしながらの研修も行っている。

川口「“どのタイミングで声かけがあれば安心できるか”など、スタッフ自身の体験を交えて、次のケアに生かすための研修会も開催しています。このような研修で話をすることで、スタッフ間でのコミュニケーションが深まっているのを感じます。実際に介護しているスタッフ同士が「手伝って」と言えることもすごく重要です。１人でできることは限られているので、スタッフが無理をして険しい表情になることがない環境づくりも大切だと感じています」

“介護者が無理をすることで利用者様にも無理をさせてしまう”ということを前提に、自ら遠慮なく周囲に伝えるように『声を出して、手を上げる！』を常に指導しているという。全ては、利用者の安心・安全なケアにつながっている。