社会福祉法人健寿会

業種: 施設系; 訪問系; 通所系; その他

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お話を伺った方

畑中伸介（はたなかしんすけ）

社会福祉法人健寿会　事務局長
熊本県出身。大学卒業後、金融機関での勤務を経て2002年に鮫島病院へ入職。その後、2003年から社会福祉法人健寿会の業務にも従事し、2018年から現職。

蓮本徹（はすもととおる）

介護老人福祉施設なごみ荘　主任
大学卒業後、看護助手として3年間、デイサービスで2年間勤務。その後、2011年に社会福祉法人健寿会へ入職。2018年から現職。

社会福祉法人健寿会　介護老人福祉施設なごみ荘は、鮫島病院の創設者である鮫島健氏が設立した。1982年に創設した鮫島病院は、当時、非常に珍しかった全病棟解放型の精神科病院であったため、困難な点が多々あったが、地域の方々の理解と協力により、安定的に運営が出来るようになったという。そのことへの感謝の気持ちが大きく「地域貢献をしたい。富士町のために何ができることを」ということが施設開設のきっかけになったという。1992年に法人認可され、翌1993年に介護老人福祉施設なごみ荘を開設。現在は、居宅介護支援事業所、デイサービスを２事業所、ショートステイサービス、ホームヘルプサービス、グループホーム２ユニット、小規模多機能型施設、住宅型有料老人ホームの他、佐賀市の受託事業として生活支援センター等も展開している。今回は、介護老人福祉施設なごみ荘の事務局長の畑中伸介さんと、主任の蓮本徹さんにお話を伺った。

安心できる家庭のような雰囲気づくり

入所者が、その人らしく生を全うできるようにサポートしているという同施設。大切にしていることを聞いてみた。

畑中伸介さん（以下、畑中）「心のふれあい・心のあたたかさを大切にした介護をモットーにしています。特に家庭的な雰囲気を大事にしていて、“自宅にいる時と変わらない感覚で過ごしていただきたい”という思いから、当施設ではスタッフは基本的にはユニフォームを着ていません。動きやすい服装であれば基本的には何を着てもOKとしています。利用者様が大家族の中のおじいちゃん・おばあちゃんであり、スタッフが子どもや孫、というイメージです。安心できる家庭のような雰囲気づくりを心がけています」

蓮本徹さん（以下、蓮本） 「『ここで過ごせて良かった』と思ってもらえるような環境づくりを心がけ、人生の大先輩である利用者様に敬意を持って接しています。また、生きる喜びを見出していただけるように、花見やバスレクなど外出の機会を多く作り、社会参加への働きかけも行っています。コロナで中止していたものもありますが、散歩やバスレクや花見など、様子を見ながら少しずつ再開しています。利用者様にとっても最高の気分転換になっているようです。『利用者様が幸せじゃないと、自分たちも幸せになれない』という考え方で、利用者様ファーストの精神を大切にしています」

食事にも、楽しめる工夫がなされている。

蓮本「『食で巡る旅』と題し、全国各地の郷土料理などを月１回で提供しています。普段はなかなか食べないような料理が出てくるので、利用者様にもとても好評です。また、地産地消にこだわっていて、できるだけ富士町産のおいしいものを使用するようにしています」

『食で巡る旅』の徳島県の時のメニュー。「食事を通して、旅をしている気分になれる」と利用者にも喜ばれている。

キャリアアップのための制度改善でスタッフのチャレンジを後押し

介護スタッフを募集しているという同施設。求めている人材像について聞いてみた。

畑中「求める条件は一つだけ『高齢者が好きな方』です。全くの初心者であっても、チューターやその他のスタッフがしっかり指導をしていくので安心してください。実際に、介護初心者からスタートして、介護福祉士をとったスタッフもいます」

キャリアアップのための制度改善にも取り組んでいているという。

畑中「資格取得のための費用的サポートや給与への反映などの制度化で、挑戦を考えているスタッフの背中を後押ししたいと思っています。ただ、スタッフそれぞれに仕事との向き合い方は違うので、全ての人がキャリアアップというわけではなく、中には、色々な事情から『今のままのポジションがいい』という人もいますので、一人一人の考えに合わせて、役割や職能を合わせていくことも大切だと考えています。『とにかく仕事を頑張りたい』という人や『今は家庭のこともあるのでバランスをとりながら働きたい』という人まで様々ですので、それに対応できるような制度を整えはじめているところです」

20〜70代までのスタッフがいるという同施設。職場の雰囲気についても伺った。

蓮本「管理者とスタッフのコミュニケーションがよくとれていて、働きやすい職場環境だと思います。一人一人の状況に合わせた丁寧な指導や対応を行っていて、外国人スタッフも4人いますが、言いたいことをしっかり伝えられる環境になっていると思います」

『世のため人のため』を胸に

これから目指す施設のあり方も聞いてみた

畑中「富士町に住まわれている高齢の方々に、できる限りより良い福祉を提供していきたいと思っています。人口減少や高齢化が進む中、移動距離の問題や人員確保の問題など山間過疎地域ならではの厳しい面もありますが、職場内のあちらこちらから笑い声が聞こえる、そんな楽しい施設をみんなで協力して作っていきたいと思っています。昔よく聞いた『世のため人のため』という言葉ですが、私たちの仕事はまさにこれだと思っています。そういう想いを胸に頑張っていけたらと思っています」