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社会福祉法人佐賀キリスト教事業団
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お話を伺った方
服巻 朋恵(はらまき ともえ)
特別養護老人ホーム 生活介護課主任
大学卒業後入職。主任として従事し、新人スタッフへの教育訓練等を担当。
井原 大成(いはら たいせい)
特別養護老人ホーム 生活介護課 介護スタッフ
幼少期より法人のイベントに参加していたことをきっかけに、高校卒業後入職。
今では一般的に使われている「認知症」という言葉。しかし、意外にもその歴史はまだ浅い。それまで使われていた「痴呆」では、実態を正しく表していなかったため、誤解や偏見を解消し、正しく理解してもらおうと、2004年から替わって「認知症」という言葉が使われるようになった。
社会福祉法人佐賀キリスト教事業団(以下、佐賀キリスト教事業団)は、佐賀県内の特別養護老人ホームで開所当初から認知症対応に力を入れてきた。クリスチャンであった初代理事長、冨永 静男氏が私財を元手に1985年から事業を開始。当時は認知症ケアに力を入れた施設は珍しかった。今では6拠点18事業を展開し、地域にとってなくてはならない施設となっている。
働いているスタッフは普段、どんなふうに認知症の症状がある方と接し、関係づくりをしているのだろうか。創設から35年以上経った今も受け継がれているケアの姿勢についてお話を伺った。
「認知症」という言葉がない時代、行き場をなくした人たちを救いたい
1986年、佐賀市大和町に開設された特別養護老人ホーム「シオンの園」は、特に認知症の症状がある方の対応に力を入れている。そのきっかけは何だろうか。
服巻 朋恵さん(以下、服巻)「行き場をなくしてしまった人たちを救いたいという想いが、創設者である冨永にあったんです。今でこそ“認知症”という言葉は一般の方も使われていて、症状に合わせたケアができます。けれど事業を始めた頃は、認知症に準ずる方はいらっしゃっても、理解と知識の不足から対応が難しかったんです」
そんな現状を見た冨永氏は、この人たちの居場所を作りたいと考え、施設の立ち上げを決意。開設当初は、周辺に認知症対応の施設がなかったため片道40分以上かけて利用する方もいたという。その後拠点数を増やし、さまざまな困りごとに対応できるようサービスを増やしていった。
創設時に作られた理念「地域社会の福祉に貢献」の姿勢は、ずっと受け継がれている。今では特別養護老人ホームだけでなく、居宅サービス、地域密着型サービス、障害福祉サービスにも取り組んでいる。さらに近年では、介護予防や自立支援、重度化防止に力を入れ、セラピストを中心とした機能訓練や脳活性化プログラム・シナプソロジーも実施している。
服巻「経営理念は創設者からのメッセージだと思っています。35年以上前に作られたのに今の時代にもフィットしている。先を見据えた考え方をしていた初代理事長は私たちの自慢ですし、この想いは誇りでもあります」
「お世話する」介護ではなく、「その人の生き方を支援する」介護
モットーの中で特徴的なのが「やめよう過保護、過干渉、できることはしてもらう!」だ。
服巻「私たちは普段、自分でできることは自分でしてもらう、スタッフがやりすぎないことを心がけています。それは、どこまでできるのか現状を知るためなんです」
井原 大成さん(以下、井原)「もちろんスタッフがした方が早い作業もあります。だけど、どれだけ時間をかけてもいいから、自分でしてもらう。僕たちが手をかけすぎると、できることが減って状態が悪化する原因にもなります」
「自分でできる」ことは生きる意欲にもなると二人は話す。特に歩行は利用者の状態を見る上での重要なポイントだという。
服巻「歩けなくなることは、1番意欲が低下しやすいんです。歩けるうちは歩いてもらって、身体を動かせるうちは動かしてもらう。今の状態をどれだけ維持させられるかも、私たちの仕事の1つ。まずは現状を把握し、その人にあった適切なケアを考えていきます」
利用者の状態に合わせたケアのため、一人ひとりの“今”を見つめるのが「支援する」介護の姿勢。関わるスタッフでケアに差が出ないよう、情報共有も工夫している。
服巻「2年前から『リフレクション』をしています。スタッフが集まって1日に行ったケアを数分間で振り返るんですね。もともと朝礼や会議もありましたが、連絡が遅れてしまったり、対応までに時差が生じてしまうこともあって。かしこまった場だと新人さんからの意見が出にくくなってしまうというデメリットもありました」
服巻さんいわく、リフレクションの導入で話しやすい雰囲気が生まれ、スタッフ同士のコミュニケーションも深まったという。2021年入職した井原さんは、どのように利用者と関わっているのだろうか。
井原「利用者さんと『話すこと』を特に心がけています。例えば壁紙を破いてしまう方がいます。その行動だけ見ると驚きますが、それにはその人なりの理由があるんです。まずは『どうして』『なぜ』を聞くこと、知ることが大切だと考えています」
服巻「私も同じです。『お風呂いや』と言われる方がいらっしゃったとき、何が嫌なのかは話さないとわからない。入ることが嫌なのか、洋服を脱ぐことが嫌なのか、体調が悪いからなのか。一つひとつ話を聞くことで、体調が悪いなら看護師さんに診てもらい判断してもらうなど、対処にもつながります」
話すことで、利用者の見ている世界を一緒に見る。納得感と安心感のあるケアは利用者にとって心地良い。さらに井原さんは、スタッフ同士でもそれは同じだという。
井原「スタッフのみなさんもそれぞれ違う考えがあります。入った当初はその違いに戸惑うこともありましたが、今は考えの違う人とも自分から話すようにしています。共通の話題を探して休憩時間に雑談したりとか。利用者さんもそうですけど、スタッフ同士だって、話さないとわからないですよね」
人はみんなそれぞれ違う。自分が見ているものを隣の人も同じように見ているとは限らない。そんな当たり前を前提に、「会話」を通して同じ景色を見にいく。
服巻「この仕事は、高齢の利用者様とお話ができることが一番の魅力です。目が見えない、耳が聞こえないなど、いろいろな方がいらっしゃいますが、利用者様と話していて『そんな考えがあるんだ』ってこちらが気づかされることもあります」
利用者、スタッフ双方を考え、「話す」ことで作られる職場環境
シオンの園は、現場の声から新しいものを取り入れる風土がある。例えば、介護用リフトはスタッフの「腰が痛い」という声から導入が決まった。これまでベッドと車いすとの移乗はスタッフが利用者を抱え上げて、行っていた。その役割を補助する機器が介護用リフトだ。これを利用することでスタッフの腰痛予防、利用者の関節が固まってしまう拘縮予防につながった。同様に、センサー付きベットや、介助のしやすい入浴機器なども導入している。
服巻「上司とのコミュニケーションもとりやすいです。働く私たち自身が無理をしないよう、ちゃんと見ていてくれてるなと感じます」
さらに、未経験者や認知症の症状がある方と関わったことがない人でも安心して働けるよう、組織内外での勉強会や、研修制度も手厚く用意されている。現在のスタッフは、経験者と未経験者の割合が約半分。介護は未経験でも、別の経験や知識を生かせる機会があるという。
服巻「以前、未経験で入職した方から、記録の書き方についてアドバイスをもらいました。私たちが使っている介護用語も、慣れてない人が見たらわからない。スタッフ全員が利用者様の情報をちゃんと共有するためにも、提案してもらった誰にでもわかりやすい書き方を取り入れています」
井原「イベントの企画や運営などもスタッフの腕の見せどころです。異業種に居たからこそ出てくる新しいアイデアで利用者さんを楽しませることもできる。介護にはいろいろなアプローチ方法があると思います」
専門的な知識はあとから学ぶことができる。それよりも大切にしてほしいのは人との関係性づくりだという。そのためにまず、「話す」ことを求めている。ケアをする上でも、スタッフ同士でも、関係づくりの第一歩は「話す」ことから始まるのだ。
服巻「もちろん最初から話すのが得意な人ばかりではありません。利用者様との会話経験や一緒に働いていく中でできるようになっていきます。お互い見ている世界が違うからこそ、関係を作るために『会話』を大切にしてほしいですね」
社会福祉法人佐賀キリスト教事業団
募集情報
応募資格 | 無資格・未経験歓迎 学生アルバイト歓迎 65歳以上歓迎 | |
その他応募資格 | まずはご相談ください! | |
雇用形態 | 正社員 パート・アルバイト | |
給与 | 正職員月給169,000円~231,400円(短大・4大卒の場合) パート時給900円~ |
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待遇・福利厚生 | 各種手当 | 夜勤手当回5,000円、資格手当(介護福祉士の場合月8,000円)、職務手当(特養勤務の場合月5,000円)、処遇改善関連手当月21,200円~36,400円、その他扶養手当、家賃手当、役職手当ほか |
賞与 | 年2回 | |
定期昇給制度 | あり | |
年間休日日数 | 公休(土曜・日曜・祝日数)2022年度120日 | |
休日制度等の 特色 |
特別休暇(夏2日、冬2日)、介護休暇、育児休暇、看護休暇、慶弔休暇ほか | |
育児休業・ 介護休業の 取得状況 |
育児休業制度 | 2022年度:1人、パパ育休2人 2021年度:1人、パパ育休1人 2020年度:1人 (2022年度育児休業取得率100%、パパ育休取得率85%) |
介護休業制度 | 2022年度:該当者なし 2021年度:1人 2020年度:1人 |
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職員数 | 220人 | |
平均従事年数 (正規職員及び正規介護職員) |
正職員15年以上 | |
正規職員の採用実績 及び在籍状況 (過去3年間) |
2022年度:8人、うち在籍7人 2021年度:8人、うち在籍6人 2020年度:14人、うち在籍11人 |
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新規入職者の育成 | 入職前オリエンテーション、新任職員研修(OFF-JT)、新任用OJT教育訓練(6か月)、職種別教育訓練、職場内研修、eラーニングシステム導入ほか | |
キャリアパス制度 | 人事制度をリニューアル。職種別・階層別の基準表を基に人事評価実施 | |
独自の取り組み | 新卒採用実施 短時間勤務相談可 職場見学・ボランティア歓迎 | |
その他独自の取り組み | シオンの園中長期計画(2021年開始、中期2025年、長期2030年をゴール)では、多様な働き方、人事制度、教育研修、採用など「はたらきやすさ」を追求するプロジェクトを実施中 |
法人概要
法人名 | 社会福祉法人佐賀キリスト教事業団 |
法人所在地 | 840-0213 佐賀市大和町久留間3865-1 |
電話番号 | 0952-62-5566 |
URL | https://www.zion.or.jp/ |
勤務地情報
事業所名 | 事業所所在地 | サービス種類 |
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シオンの園本部事業所 | 840-0213 佐賀市大和町久留間3865-1 | 居宅介護支援 訪問介護(ホームヘルプ) 通所介護(デイサービス) 短期入所生活介護 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム) 認知症対応型共同生活介護(グループホーム) |
シオンの園川上事業所 | 840-0214 佐賀市大和町川上587-1 | 小規模多機能型居宅介護 認知症対応型共同生活介護(グループホーム) |
シオンの園片田江事業所 | 840-0054 佐賀市水ヶ江2丁目9番20号 | 小規模多機能型居宅介護 認知症対応型共同生活介護(グループホーム) |
シオンの園水ヶ江事業所 | 840-0054 佐賀市水ヶ江4丁目2番21号 | 居宅介護支援 地域密着型通所介護 |
シオンの園末広事業所 | 840-0032 佐賀市末広1丁目9番28号 | 短期入所生活介護 小規模多機能型居宅介護 認知症対応型共同生活介護(グループホーム) |
シオンの園はるかぜ事業所 | 840-0202 佐賀市大和町久池井2584-1 | 通所介護(デイサービス) |
佐賀市大和地域包括支援センター | 840-0201 佐賀市大和町尼寺1870 | 地域包括支援センター |
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注意事項
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